
獨協医科大学埼玉医療センター 整形外科 准教授
渡邊 敏文(第14期)
同窓の皆様、ご無沙汰しております。14期の渡邊敏文と申します。
私は現在、埼玉県越谷市にある獨協医科大学埼玉医療センターで診療、教育、研究を行っています。内科系11、外科系17の診療部門の他、14のセンターを有する923床の大学病院です。研修医は1年次、2年次それぞれ約40名が各科をローテーションしています。
整形外科医はレジデントを含めて21名、秘書さんや米国籍のacademic assistantを加えると総勢26名になります。当医局の関連病院は埼玉県東部が中心ですが、都内の患者さんもいらっしゃいます。膝関節グループは私を含めて5名で、若い先生たちと人工関節置換術、膝関節周囲骨切り術、鏡視下靭帯再建術などを行っています。
学生時代は楽しい仲間に恵まれ、朝から晩までテニスばかりして真っ黒に日焼けしていましたが、頼りになる同級生との勉強会のお陰で、無事、国試をパスできました。体を動かすのが好きだったので運動器の医者を志し、東京医科歯科大学整形外科医局の門をたたきました。以後、四半世紀にわたってお世話になっています(現在も所属しています)。
出雲で6年間過ごした後の東京はあまりにも賑やかで人が多く、最初は圧倒されましたが、優しい同期や先輩・後輩医師のお陰で何とか病まずに済みました(夏休みなしで終電まで働いていた最初の1-2年はほとんど鬱だったかもしれません)。卒後15年間は都内や近県の関連病院で現場の臨床経験を積み重ね、その間に学位を取得しました。
2010年から2年間、フロリダ大学バイオメカニクス教室に留学し、人工膝関節の動態解析の研究を行いました。家族で過ごした留学時代は夢のような日々でした。ラボの仲間もいい人たちばかりでしたし、抜けるように青い空と紺碧の海は本当に綺麗でした。本場のネズミの国に行ったり、自然公園で野生のワニに追いかけられたり、サニベルアイランドで貝殻を拾ったり、植民地時代の砦に登ったり、カリブ海のクルーズに参加したり、NASAのスペースシャトル打上を間近で見たり、イチロー選手の試合を観戦したり・・・数え上げたらきりがありません。
その後、帰国して東京医科歯科大学に6年間勤務し、人工膝関節を中心に手術や学会発表・論文執筆に明け暮れました。膝関節の保存的治療に関しては、NHKの「ためしてガッテン」と「ガッテン」に3度出演させていただき、テレビの裏側を知るよい機会となりました。2018年、獨協医科大学埼玉医療センター整形外科教室を刷新するために現教授と共に赴任し、今に至っています。
私生活では賢い伴侶と4人の子供に恵まれ、オムツ替えから入浴、爪切り耳かき、週末のお散歩まで、できることは何でもやってきました・・・と言うか、末っ子はまだベイビーなので今もオムツ替えを手伝っています。大家族を支えてくれている妻にはとても感謝しています。山梨の田舎出身の私には縁のなかった中学受験というのも経験しましたが、今時の子供はすごいですね。小学生とは思えない高度な内容を学んでいます。私らの頃は毎日暗くなるまで、野山を駆け回って遊んでいたものです。
日本に戻ってから、実家の裏にある里山の一部を買い取り、梅、桃、杏、柚子、柿、栗、胡桃、銀杏、楓、山椒などあらゆる樹木を植えて成長を楽しんでいます。以前からある杉、檜も立派に育っています。私以上に山好きな大工の父への孝行のつもりでもあります。
近頃は、都内から埼玉への通勤途中のジムで週に2-3日朝練(筋トレ)をしています。整形外科医としては筋トレやストレッチも自ら実践して、患者さんにお伝えしたいですから・・・要は運動が好きなんですね。若い頃は大工や作家などいろんな職業に憧れたものですが、今になって整形外科医は自分に向いているのかもしれない、と感じています。最近、工学部で教鞭をとるマッチョな友人の著作のお手伝いをさせていただきました。「筋トレの力学 (デザインエッグ社)」という本で、筋トレを物理学的な視点から解説したユニークな書籍です。アマゾンで購入できますので、ジム通いをされている方はぜひお手に取ってみてください。読めば筋トレがますます楽しくなります。
最後になりましたが、これまでお世話になった同窓の方々に、この場をお借りして深謝申し上げます。ありがとうございました。皆様もどうかお元気でお過ごし下さい。