山﨑 誠太(第34期)
近 況 報 告
天理よろづ相談所病院 循環器内科
山﨑 誠太(第34期)

島根大学同窓の皆様、こんにちは。第34期 山﨑誠太と申します。この度、近況報告の執筆の機会を頂きました。誠にありがとうございます。
私は島根県益田市で生まれ、益田高校卒業後、島根大学医学部卒業まで出雲市で過ごしました。大学卒業後は24年間過ごした島根県を離れ、現在の勤務先である天理よろづ相談所病院にて初期研修を行いました。そのまま循環器内科で後期研修を行い、この原稿を執筆している2021年11月現在、医員2年目となりました。
そんな私ですが、最初から循環器内科を志望していたわけではありませんでした。私が大学に入学した平成22年頃に、父親がパーキンソン病と診断されました。父は私が大学受験の際には益田から車を運転して受験に付き添ってくれていました。しかし年々、身体が動かなくなり、次第に日常生活に介護が必要になっていきました。病状が進行する父の姿を見ながら、大学時代は、将来の進路は神経内科かな、と漠然と考えていました。しかし、実際に医師として働き始め、様々な慢性疾患を抱えた患者さんを診療する中で、なかなか短期間では病状が良くならないことも多く経験しました。患者さんや家族から病状の不安をぶつけられても上手く対応できなかった苦い経験もしました。そんな中で、自身の進路をどうすべきか、迷うようになりました。
初期研修1年目が終わろうとしていた2016年3月、後期研修以降の進路をそろそろ決めなければなりませんでしたが、自身の進路を決めきることができず、悩む日々を過ごしていました。そんな時期にローテートしたのが循環器内科でした。重症の患者さんが劇的に良くなり、歩いて退院される姿を見て、忙しくも充実した循環器診療の魅力を感じました。またコンサルトをするのも怖かった循環器内科の上級医の先生方が、熱心に、時に厳しくご指導して下さり、密度の濃い研修の日々でした。ローテート中に諸先輩方に強く誘って頂いたことも大きな要因でした。そういった出会いも何かのご縁だと思い、その流れのまま循環器内科の道に進むことを決めました。
それからあっという間に5年の歳月が流れ、天理での生活も7年目に突入しました。現在、日常診療としては、心臓カテーテル検査や治療、ペースメーカ植え込み、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)、循環器内科外来、経食道心エコー検査などに携わらせて頂いております。また本年8月に循環器内科専門医試験を受験し、晴れて合格することができ、循環器内科専門医の資格を得ることが出来ました。循環器領域は年々ガイドラインが更新されています。検査法、治療法も日々進歩しており、情報をアップデートしていくのが大変ですが、同時に循環器領域の奥深さ、魅力を感じています。最近は後輩も増え、指導に当たる機会もあり、さらに精進していかねばならないと思っています。
気づけば、出雲市で過ごした6年間よりも天理市で過ごした時間の方が多くなりました。奈良県は山々に囲まれ、所々に田園風景も広がり、どこか島根県と似た雰囲気を感じ、時折出雲市で過ごした学生時代の日々を懐かしく思い出します。京都や大阪にも近いため、以前は休日に出かけることもありましたが、コロナ禍の中、そういった外出も出来なくなりました。またなかなか島根に帰省することも出来ない状況となってしまいました。コロナが収束し、またいつか以前のような生活に戻れることを願っております。
最後になりましたが、大学、研修医時代から現在まで、多くの同窓の先輩、後輩の先生方にお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。またご縁があり、皆様とともに働ける日があればうれしく思います。母校の更なる発展と同窓の皆様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げ、私の近況報告とさせて頂きます。ありがとうございました。