鹿島 由史(第16期)
近 況 報 告
医療法人 札幌ハートセンター
札幌心臓血管クリニック 副院長
鹿島 由史(第16期)

16期の鹿島由史です。生来、自由奔放のため、周囲にも消息不明と言われていたようですが、同窓会より近況報告を命じられました。生まれた長崎を離れ、島根医大で遊び、病院の立ち上げなどに参画した後に、札幌で元気に遊んでおります。
大学時代は剣道部に所属していましたので、臨床研修センターの大野智教授と同期にあたります。眼科の谷戸正樹教授や帝京大学薬理学教室の青山晃司教授をはじめ、先輩方には大変可愛がって頂きました。第4 内科入局後も、病棟医長であった加藤晴美先生、指導医の中村広先生と羽田学先生をはじめ、全ての頼れる先輩方に弟のように大変可愛がって頂きました。その後は、同門の松野好男先生と太田哲郎先生が率いる松江市立病院で、鉄から鋼へと精錬して頂いたと思っています。
現在は国内有数の心臓専門病院である医療法人札幌ハートセンター札幌心臓血管クリニックに在籍しています。私が赴任した頃は循環器内科医が数名だけでしたが、現在では心臓血管外科、麻酔科も含めて30名の医師と、400名近くのスタッフが勤務しています。島根医大卒の医師は、私を含めて4名在籍しています。病床数も開院当時の19床から100床を超えており、数年後にはさらに増床した新病院が完成します。
診療内容は、小児循環器と移植循環器領域を除けば、全ての循環器疾患に対応しています。心臓血管外科のダビンチや循環器内科のロボットPCI(カテーテル治療)など、循環器単科病院ではあり得ないと言われる設備も稼働しています。地域医療への貢献としては、中核病院を含む40以上の医療機関に医師を派遣し、サテライト外来を運営しています。そして、現在は国内外への新病院設立の計画がウワサされています。

こうした当院の医療体制や展望の中で、私の業務は地球で私の業務は地球で遊ぶこと(国内外での講演や技術指導)になります。当院の藤田勉理事長が国内の世代最強PCI 術者の一人であったため、私の存在意義と存在価値を理解し、容認してくれています。COVID19 の流行までは、年間の半分以上は札幌外での業務でした。海外では、これまでに20数カ国、60都市以上で仕事していますが、繰り返し訪問する場所でさえ、忙しすぎて空港以外の記憶はほとんどありません。1年に1 回の楽しみは、オランダで開催されている公開治療の学会で、私の最初のカテーテル治療の師匠である同門の木下順久先生と師弟で飲み明かすことです(写真:アムステルダムにて)。この会には二人だけしか日本人が招聘されていないため、この時だけは気兼ねせずに済むからです。

COVID19 が流行した後は、札幌から出ることが激減したため、Webinar三昧の日々です。技術指導などは現地に行くしかありませんが、移動時間もなく1日で数カ国の仕事をこなせる現状を経験すると、講演などは以前に戻れないように感じています。さらに、未来のための投資ができるようになりました。それは、院内で後進の指導をできる時間ができたことです。第4内科の田邊一明教授と当院の藤田勉理事長が、国立循環器病センター時代に御縁があり、母教室から医局員の森田祐介先生をお預かりすることになりました。私は第4内科と松江市立病院の先輩方に、世界で遊べる根幹部分を作ってもらいました。COVID19 は世界に大きな悪影響を与えましたが、私にとっては悪いことばかりではなかったようです。森田祐介 先生は大きな可能性を秘めているので、彼が島根大学医学部の未来を担い、世界で戦えるように指導して医局へ戻します。それが、田邊一明教授が掲げられる『島根から世界へ』に繋がり、私を創ってくれた先輩方と医局への恩返しになると信じています。